ProductsAI Operating Model

AI Operating Model Diagnostic Kit

一つのAI活用業務について、誰が判断し、どこまでAIに任せ、どこで人が確認するかを見直すキットです。例外、引き継ぎ、証跡、確認にかかる負荷も扱い、優先する改善点と次の対応を整理します。

AI活用がすでに始まり、その業務の進め方について関係者で共通認識を持ちたい場合に使います。

掲載中AI Operating Model診断30/60/90日の対応計画

業務ひとつを、最後まで答え切る

AIを使っている業務を一つ選んで答え切ると、何が残るか。

問い合わせ返信の下書きに生成AIを使っているサービス部門——キットに同梱の架空例と同じ「北極星サービス部」です。応答は速くなりました。ただ、返信を送ってよい条件が何なのか、誤った案内が出たとき誰に連絡するのかは、いま誰も言えません。

この例は架空です。特定の顧客・案件・組織を記述したものではありません。質問、診断軸、注意すべき兆候、テンプレートの項目は出荷しているキットからそのまま引いています。回答、優先改善領域、アクションは作成した架空のものです。対象部門と6問の回答は、キットに同梱されている架空例と同一にしてあります。ここで見せているものと、購入後に届くものが食い違わないようにするためです。

  1. 状況

    導入は成功していて、運用の問いだけが立てられていない。

    問題は起きていません。顧客に向かう業務がこのアシスタント込みで回るところまで来ていて、その周辺——受入、エスカレーション、記録、確認にかけられる時間——が判断されないまま、たまたま最初に担当した人のやり方として引き継がれている、という状態です。キットが想定しているのはまさにこの単位で、全社評価ではありません。

    • 問い合わせ返信はAIで下書きし、下書きした本人がそのまま送っている。
    • 部門長が全件承認しているが、規定ではなく慣行としてそうなっている。
    • 顧客に出す前に下書きが満たすべき条件は、どこにも書かれていない。
    • 所要は、一人なら60〜90分、3〜6人で認識差を確認するなら120〜180分。
  2. 作業

    業務を一つに絞り、4値で答える。

    ワークブックは、質問・診断軸・注意すべき兆候が書かれた状態で届き、回答欄だけが空です。回答は Yes / Partly / No / Unknown の4つで、Unknown は「記入できなかった」ではなく正規の回答です。各行の右にある注意すべき兆候が、気持ちよく付けた Yes が本当に Yes かを確かめる役に立ちます。

    Question ID・キットに含まれる
    Q01
    診断軸・キットに含まれる
    D1 目的・優先順位
    質問・キットに含まれる
    このAI活用で改善したい成果と、後回しにすることが共有されているか
    回答・記入する
    Yes
    注意すべき兆候・キットに含まれる
    AIを使うこと自体が目的
    Question ID・キットに含まれる
    Q04
    診断軸・キットに含まれる
    D2 意思決定・責任
    質問・キットに含まれる
    利用開始・範囲変更・停止の決定者が明確か
    回答・記入する
    Partly
    注意すべき兆候・キットに含まれる
    誰かが承認のまま
    Question ID・キットに含まれる
    Q08
    診断軸・キットに含まれる
    D3 委任・人の確認
    質問・キットに含まれる
    AIの出力を受け入れる条件と、確認者が決まっているか
    回答・記入する
    No
    注意すべき兆候・キットに含まれる
    出力をそのまま利用する
    Question ID・キットに含まれる
    Q10
    診断軸・キットに含まれる
    D4 例外・引継ぎ
    質問・キットに含まれる
    想定外の出力、誤利用、未回答が起きた時の連絡先と初動があるか
    回答・記入する
    Unknown
    注意すべき兆候・キットに含まれる
    担当者の善意に頼る
    Question ID・キットに含まれる
    Q13
    診断軸・キットに含まれる
    D5 記録・可視化
    質問・キットに含まれる
    重要な判断、利用条件、確認結果を後から説明できる形で残しているか
    回答・記入する
    Partly
    注意すべき兆候・キットに含まれる
    チャットや個人端末に散在
    Question ID・キットに含まれる
    Q16
    診断軸・キットに含まれる
    D6 実行容量・レビュー負荷
    質問・キットに含まれる
    確認・承認を担う人の時間と専門性を見積もっているか
    回答・記入する
    No
    注意すべき兆候・キットに含まれる
    全件を同じ深さで確認

    20問のうち6問。空で届くのは「回答」だけで、行の残りは書かれた状態で届きます。同じく空で届く「根拠・事例」「補足メモ」は、ここでは省いています。

  3. 見えてくること

    Q01がYesだからこそ、Q08のNoが重い。

    6問を一覧ではなく一つの塊として読むと、形が見えます。利用が先に進み、その周りの取り決めが追いついていない、という一つの形です。ガイドはこの形に名前を付けており、あわせて「No または Unknown なら利用拡大前に責任者判断の候補」とする5問を挙げています。この部門の6問のうち4問がその5問に入っています。

    • Q01は本物のYes。対象業務が絞られ、目的も合意されている。これが強みであり、だからこそ残りが効いてくる。
    • Q08とQ16は同じ事実の二度目の現れ。受入条件が無いので、使える統制が「全件見る」しか残らず、部門長がボトルネックになる。
    • Q10はUnknownのまま。誤案内時の連絡先をその場の誰も挙げられなかった。推測せず、そう記録する。
    • この形にガイドが与えている結果タイプは「活用先行・運用未整備」。組織の評点ではなく、状況の記述です。
  4. 結果と次の判断

    優先3件に、決める人と期日が付く。

    結果要約が終着点です。優先改善領域は設計上3件までで、出荷しているテンプレートの項目名自体が「最大3件」と書かれています。あわせて30日/60日/90日の整理が付き、各行に意思決定者と完了の目安が入ります。ここで部門が上に持って行けるのは、評点ではなく、名前の入った短いリストです。

    • 部門長が全件を見ていたのは、他に効く手段が無かったからでした。そこまでが所見で、いまはそれに担当者と期日が付いています。

    成果物

    結果要約テンプレート

    対象と回答を記録し、強み・重大な欠落・最大3件の優先改善領域・責任者判断が必要な論点・期日付きの30日/60日/90日の整理まで書き切る。

    対象業務: 問い合わせ返信の下書き   回答者: サービス部長、担当2名、運用責任者
    強み: 目的と対象業務が限定されている。何のためのAIかで認識が割れていない
    重大な欠落: 出力受入条件、例外時の初動、レビュー容量
    結果タイプ: 活用先行・運用未整備
    優先改善領域(最大3件)
      1. 問い合わせ下書きの受入基準と差戻し経路
      2. 誤案内が起きたときの連絡先と初動
      3. 判断と確認結果を残す場所を一つに決める
    責任者判断が必要な論点: どの問い合わせをAI支援の対象にし、誰が利用を止められるか
    30日 — 影響度別に受入基準と確認者を分ける
      意思決定者: サービス部長   完了の目安: 担当者が一人で「送ってよい条件」を言える
    60日 — 連絡先・停止・訂正・記録の順を定める
      意思決定者: サービス部長   完了の目安: 過去の実例1件で、その順を一度なぞってある
    90日 — 判断と確認結果の最低限の保存場所を決める
      意思決定者: 運用責任者   完了の目安: その場にいなかった人が前四半期の判断を見つけられる

20問のうち6問と、記入済みの結果要約1枚を掲載しています。掲載していないのは、残る14問、回答を読むための4段階の成熟度と4つの結果タイプ、そして優先改善領域ごとに1枚使う改善アクションテンプレートです。このページは「診断が終わること」を示すためのもので、診断そのものではありません。

自分の業務で試す

この業務に、誰も引き受けていない判断が残っていないか。

上の表にある質問のうち、キットのガイドが責任者判断を要する候補として読む5問です。知っているAI活用業務を1つ思い浮かべて答えてください。気づくための確認で、答えを出すものではありません。

回答はこのページの中だけで扱います。保存も送信もせず、ページを離れるか再読み込みすると消えます。

Q04 · D2 意思決定・責任利用開始・範囲変更・停止の決定者が明確か
Q08 · D3 委任・人の確認AIの出力を受け入れる条件と、確認者が決まっているか
Q10 · D4 例外・引継ぎ想定外の出力、誤利用、未回答が起きた時の連絡先と初動があるか
Q13 · D5 記録・可視化重要な判断、利用条件、確認結果を後から説明できる形で残しているか
Q16 · D6 実行容量・レビュー負荷確認・承認を担う人の時間と専門性を見積もっているか

5問中0問に回答

監査、認証、成熟度の評価、組織固有の専門的判断のいずれでもなく、点数も出しません。

このキットで整理できること

未整理の状況を、検討に使える材料へ。

キットの手順に沿って一つの具体的な状況を整理し、確認、共有、引き継ぎに使える材料を残します。

この Product でできること

レビューできる材料を作る。

20問の診断結果をもとに、優先する改善点を最大3件に絞り、責任者と30/60/90日の対応を整理します。

作業資料チェックリストテンプレート

この Product でできること

曖昧な論点を、広がる前に整理する。

業務の進め方について部門ごとの認識を比べ、判断や短期対応が必要な点を絞ります。

整理確認次アクション

含まれるもの

自分たちの作業に取り込めるファイル。

ガイド、テンプレート、チェックリスト、記入例を、自分たちの作業環境にコピーして使える形で構成しています。

含まれるもの

20問の診断ワークブック

7診断軸を、回答・根拠・補足メモとともに確認する日英対応XLSXです。

20問7軸XLSX

含まれるもの

診断ガイドと成熟度モデル

個人・チーム利用、4段階の成熟度、4結果タイプ、スコア解釈上の注意を説明します。

ガイド成熟度結果タイプ

含まれるもの

結果要約・改善アクション

強み、重大な欠落、優先領域、責任者、30/60/90日のアクションを整理するテンプレートです。

結果改善責任

含まれるもの

Start Here・利用条件・架空例

最初の使い方、保守的な組織内利用の境界、回答からアクションまでの架空例を含みます。

Start here利用条件例

向いている状況と対象外

自社で進められるか、個別支援が必要か。

このProductだけで自社内で進められるか、個別事情に合わせた支援が必要かを確認します。

向いている状況

再利用できる作業資料で進められる場合に向いています。

AI/DX推進、情シス、セキュリティ、リスク、事業、経営企画の責任者向けです。一つの業務を確認し、組織固有の運用設計が必要かを考える際に使えます。

自分たちで使う実務キット

これは含まれません

法務・監査・認証・セキュリティ保証ではありません

運用上の論点を整理するキットであり、法的結論、監査保証、認証、セキュリティ保証を提供しません。

境界

背景にある考え方

このキットのもとになった考え方。

以下のノートは無料で、それだけで読み切れます。キットが扱う問題そのものを説明したもので、キットはそれを自社の状況に当てて進めるためのものです。

  • AIに任せると、仕事の設計が問われる

    AIへ仕事を任せることは、新しい問題を生んでいるわけではありません。むしろ、人間同士のやり取りでは曖昧なまま処理されてきた、仕事の範囲・完了条件・受入条件を見えやすくしています。人とAIが同じ仕事を安全に終えられるようにするために、何を設計すべきかを整理するPractice Noteです。

仕様

製品仕様。

この製品が何であり、何を含むかの仕様。

製品仕様

向いている人
一つのAI活用業務を部門横断で確認したい責任者。
所要時間
個人60〜90分、チーム120〜180分。
形式
日英PDF、XLSX、Markdown、YAMLを含むデジタルキット。

次の進め方

まず自社で進め、必要なときに確認や支援を加える。

自社の状況について自分たちで答えを出せる場合は、このProductで進められます。部門ごとに回答が分かれる、誰が引き受けるか決まらない論点があるなど、自分たちだけでは決めきれない論点が残った場合は、整理した材料を第三者の確認に持ち込めます(所見と論点をお返しし、合否、評価点、成熟度はつけず、監査保証、認証、適合性評価、法的判断の代わりにもなりません)。責任の所在の曖昧さ、関係者の認識のずれ、ハイリスクな利用、経営判断が課題になった場合は、Services または Contact が次の入口になります。